観葉植物を育てていて、土で困ることはないですか?
植物の元気がない、葉が薄くなってきた、葉先が枯れてきた、
茎や株元がブヨブヨする・・・。
梅雨時期になると、コバエなどの害虫が発生して困っていたり、
なかなか土が乾かなくて「きのこ」が生えてきたり。。。
へんな匂いが鉢からしてきたり。。
- 観葉植物を買いたいけど、土や鉢のことがわからない
- 観葉植物の状態が悪く、元気がない
- 自分の家の植物にあった土の配合を知りたい
- 市販の土ってどうなの?
- 古い鉢の土を使ってよいのか知りたい
こんなお悩みのある方へ向けての記事となります。
では、早速本題に入ります。
観葉植物|水はけの良い土配合の解説!(無機質がオススメ)最適な鉢の種類とサイズ
- 最適な配合で土をつくる
- 用土のブレンド例など
- 鉢のサイズと種類
まずはじめに、鉢のサイズと容量について説明します。
鉢の号数とサイズ、土の容量の目安
鉢は、1号上がると3cm大きくなります
鉢の「号数」は3cm刻みです。植え替え時は、1号大きいもの、または同じサイズを選びます。
鉢の号数とサイズ、土の容量の目安は、下記を参照してください。
鉢の号数とサイズ、土の容量の目安 | ||
号 | 直径 | 容量 |
3号 | 9cm | 0.25〜0.35L |
4号 | 12cm | 0.5〜0.65L |
5号 | 15cm | 1.2〜1.4L |
6号 | 18cm | 2.1〜2.3L |
7号 | 21cm | 3.3〜3.6L |
8号 | 24cm | 5.1〜5.3L |
9号 | 27cm | 7.7〜8L |
10号 | 30cm | 8.4〜8.7L |
11号 | 33cm | 9.8〜10L |
12号 | 36cm | 13.8〜14.5L |
鉢は、小さめで育てる方が失敗が少ないです。
次に、「良い土とは」どんなものなのかご説明します。
良い土って??
良い土は、水はけ、水もち、通気性が良いことです。
観葉植物の生育に大きく影響するのが、「鉢に入れる土」です。
水はけと水もち、通気性が良くなるように管理することがもっとも大切です。
理想的な土の条件は、
- 水はけが良い
- 水もちがよい
- 通気性がよい
- 上記の条件を保つには、「小さな粒子が適度な大きさに固まった状態」をつくることです。(団粒構造)
- 団粒そのものが、水分や肥料を保持し、団粒のすき間が「水や空気」の通り道となり、根の呼吸を助けて、「根ぐされ」を防止します。
素材による乾きやすさの違い
鉢の種類によって、水はけ・水もち・通気性は異なります。
上から順番に「乾きにくく」下に行くにつれて乾きやすくなります。
↑ 乾きにくい
- プラスチック鉢、陶器鉢(釉薬が塗布されている)、グラスファイバー鉢
- 陶器鉢(ザラザラ)、素焼き鉢
- 駄音鉢
- テラコッタ
- スリット鉢(オススメ!)
↓ 乾きやすい
- 鉢の保水性と通気性は、素材によって変わってきます。
- 同じ素材なら、鉢が大きく、深いほど乾きにくいです。
次に、水はけや通気性の悪い「陶器鉢(うわ薬塗布)」を使用した事例を紹介します。
実例:水はけの悪い「陶器のピカピカな鉢」に入れていた用土の状態
植物にはやはり、2〜3日に1回は乾燥してから水やりをするというサイクルが最適なんです!
水はけが悪いと、鉢のなかの土がいつまでも湿った状態のため、しだいに根が腐ってしまいます。
土が常に湿った状態だと、植物の根ぐされもそうですが、カビが生えたり、害虫も発生しやすくなります!
土の水はけは、観葉植物を育てる上でもっとも大切なのです!
次に、市販の土について解説します。
初心者にオススメ!「市販のブレンド済み用土」
はじめから、観葉即物が育つように、数種類の土を合わせた市販の土は、そのまま使えるので初心者にはオススメです。
適度な水もちと水はけ、通気性があるため、無理に自分でブレンドしようとしなくても大丈夫です。
植物によって最適な「土の配合」を自分で作る
自分で用土を配合すれば、栽培する観葉植物に最適な土質に整えることができます。
室内に置くことの多い観葉植物。
匂いやカビ、病害虫の出やすい「有機質の土」は使用を避けた方が良いです。
肥料は、固形、液体の化学肥料を与えると問題ないです。
用土のブレンド例:5パターン紹介!
いろいろな土の配合で育てた結果、育ちに変化がみられましたので以下に改訂させていただきました!(2023年6月 改定)
① ゴムの木などに最適(有機質):島袋園長の植物チャンネル |
赤玉土無配合のため土の崩れが少なく、鉢の下から砂汚れが出ない配合。 |
ピートモス1+エコミックス(ヤシファイバー)1+軽石1 |
② 観葉植物の基本の配合(無機質):くるみどりちゃんねる |
水はけ・通気性・水もち・保肥力の良い土 |
赤玉土50%+ボラ土(日向土)20%+バーミキュライト20%+もみ殻燻炭10% |
③ コバエが来ない清潔な配合(無機質):らんまるの園芸チャンネル |
多肉植物に最適! |
軽石2+鹿沼土1+赤玉土1 |
④ ハンギング向きの軽量な土(有機質) |
水もちを備えつつ、軽さを重視した配合。発色もキレイ! |
ココヤシピート:100% |
⑤ 暑さ寒さに強く、色もキレイな配合。(無機質)(熱帯植物栽培家 杉山さんの配合) |
硬くギュッと育ち、害虫も来にくい (オススメ!) |
赤玉土60%+鹿沼土20%+軽石(小粒)20% |
次に、便利な改良材の説明をします。
観葉植物には無機質の土について
赤玉土(無機質)
赤玉を粒の大きさごとにふるいにかけたもの
- 水もちと通気性、肥もちに優れている
- 基本の用土として使用する
赤玉土は、安いものでも最初は良いのですが、日数が立つにつれて土の性質が粘土質に変化していくため、できれば「硬質」の赤玉土を推奨します!
鹿沼土(無機質)
関東ローム層と呼ばれる地層で採取される火山灰の1つです
- 通気性・排水性・保水性・に優れる
- 赤玉土よりも通気性が優れているが、保肥性には劣る。
- 酸性である
軽石(無機質)
無数の孔があいており、水に浮くほど軽い
- 水はけと通気性を高める
- マグマが固まった石
筆者オススメの土の配合(無機質)
無機質について
筆者オススメの用土は、なんといっても「無機質」の土です!
植物は、「乾燥と湿潤の状態」を繰り返すことが大切なため、「無機質の土」ばかりを配合すれば、水やりがラク、コバエなどの害虫がこない状態を保つことができます!
赤玉土(硬質・小粒)6割
鹿沼土(硬質・小粒)2割
軽石(小粒)2割
無機質の土のメリット・デメリット
- 乾燥も早く、植物の成長には欠かせない「乾燥・湿度」の状態を保つことができる。
- 土の表面の色が変わるため、水やりの管理も分かりやすく、無機質なので害虫の発生もない。
- 無機質の土で育った観葉植物の根はとても強く育つため、夏の鉢内も暑くなりにくく、冬越しも楽になるので枯れることが少なくなる。
- 有機質の土で育った植物より、無機質の土で育った植物の方が、根が太く長く多い!(元気に育つ!)
- ギュッと硬めに育つため、葉柄も短く、葉の色も濃くてキレイ、しかも肉厚になります。
- 植え替えの頻度が長いのでラク。
無機質の土のデメリット
- 成長が遅め。小さくギュッと育つ。(これは筆者にとってはメリットですが笑)
- 赤玉土、鹿沼土でもいつかは劣化はする。
有機質について
有機質は、時間が経てば劣化していくため永遠ではないのです。肥料や水やりが多かった場合、泥のように変化(ケト土)してしまいます。1年ごとに植え替えが必須なため、植え替えがお好きでない方、忙しい方は、無機質の土に変更することをおすすめします。
有機質の土のメリット・デメリット
- 有機質の土の大代表格であるピートモス(水苔や草が堆積した物、ヨーロッパは主流の土)は、保水力抜群、柔らかいため、植物の根がスッと入っていけるため葉が大きくなりやすい。
- コストが安い
有機質の土のデメリット
- 有機質の土は、水もちが特に良いので土が乾きにくいため根ぐされしやすい。
- ピートモス、ココチップ、水こけなどの有機質の土は、時間と共に劣化し、最後にはポロポロと砂のように崩れてしまうため、植え替えを1年ごとにする必要がある。
- 生育温度の幅が狭く、「夏:暑がる、冬:寒がる」ことが多い。植物が軟弱に育ちやすい。
- 土が柔らかいため、根が安易に伸びるため、ストレスに弱い。
有機質の土がむいている方とは
有機質の土がむいている方とは、
- 風も回っていて、光も十分にある
- 温度も安定している(平均20℃前後を保ち、最低温度を15℃を下回らない)環境の方。
💡(有機質の土は、水もちが特に良いので、あまり鉢を大きくし過ぎないでくださいね)
古い鉢の土をそのまま使ってもいいの?
観葉植物を育てる土は、基本は新しく購入したものを使うことをおすすめします。
古い鉢の土は、 団粒構造が崩れて、粒が細かくなりすぎていることがあります。
劣化して、粒が細かくなると、水と混ざったとき、
土の粘度が増して、水はけが悪くなってしまいます。
土の中に菌や病害虫も多く発生していることがあるため、
新しく購入した方が良いですが、古土を再利用することもできます。
以下の処理が必要になります。
再利用する手順
- 天日干しにして殺菌する(①古土を黒いビニール袋に入れて、その上から熱湯を入れ軽く混ぜる。②夏の炎天下に1ヶ月ほど置く)
- ①を地面に平らに広げて乾くまで乾燥させる
- ふるいにかける(①で殺菌された土をふるい、細かすぎる土は捨てる)
筆者の水やりの方法
筆者は、「サスティー」とい水やりチャッカーを使用して、観葉植物の水管理をしています。
サスティーとは、適切な水やりタイミングを教えてくれる水分計。 計測機器としては土壌水分計などがあるがこちらは電池を必要としなく単体で動作する。 水やりチェッカー部分の色で土壌中の水分を教えてくれる。 サイズはS,M,Lの3種類です。
サスティーを植木鉢に刺しているだけで、先っちょの色が変化して、
『今日は水やりのタイミングだよ!!』と教えてくれる優れものです!
筆者は、このサスティーをすべての植木鉢に挿しています。
植物たちの水管理をしているおかげで、今では「100% 枯れ知らず」です!
霧吹き(超微粒ミスト)
超微粒ミストなので、壁や床をビチョビチョにしません!
スリット鉢
「スリット鉢」は、水はけ・通気性が良く、大切な観葉植物を「根ぐされ」から守ってくれます。
スリット鉢の効果
- 鉢の中で、根がグルグルと回る「サークリング現象」を防ぐ
- 鉢の中で根がギュウギュウになる「根鉢」状態を防ぐ
【自作・スリット鉢】と水はけの良い土の配合で、根ぐされ知らず!
最後に
観葉植物を育てる際に、もっとも大切な用土。
初心者のうちは、市販の「観葉植物の土」をそのまま使っても問題ありません。
慣れてくれば、好きな配合の用土を使って、育てるのも楽しいです。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!!
他にも観葉植物を育てるために必要なグッズが知りたい方はこちら♪